嘘だまり

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ある街で (その1)

 治夫がある街に出かけたのは気まぐれでしかなかった。 通りを歩いていると路地から少し入った所に散髪屋が見える。古くさい店だ。こんな場所で、しかも寂れた店に客が来るのだろうか? 窓越しに店の中を見てみると案の定、誰もいない。だが意外にも、店主は女性で若い。 店主に惹かれた治夫はドアを開けて中に入った。「いらっしゃいませ」と言う声。 椅子を示されて座り、好みのスタイルを聞かれ、さっそく散髪が始まった。...

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ある街で (その2)

 店主に示されて治夫が入った個室の広さは3畳ほど。部屋の隅には店にも置いて有るような散髪道具、それに脱衣かごと白い布をかけたベッドだけの殺風景な部屋。 入るとすぐに、店主は「下の衣服を外すように」と言った。 店主と言えど妙齢の女性だ。陰毛が生えそろってからの治夫は女性の前で下腹部を晒したことは無い。治夫が戸惑っていると、店主は準備の手を止め、「脱ぐのが恥ずかしい? 何なら下着だけは外さなくてもいい...

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ある街で (その3)

 「この仕事もそれほど経験が豊富なわけじゃないけど、こんなに硬くなって困るなんて、今までなかった」 そう言いながら店主は治夫の陰茎を握る。唐突な行為だったが治夫は途惑いよりも、妙齢の女性に握られているという意識が勝って興奮を隠せない。治夫は自分の陰茎がそれほど大きいと思わないが、「硬くなって困る」と言われれば悪い気はしない。「でもこれだけ硬かったら、ハサミの先が少し触れただけでも血が吹き出しそうで...

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ある街で (その4)

 治夫は思いがけなく、官能の一時を過ごした。店主はどのような術すべを心得ているのか、ただ握っただけなのに痛みに似た衝撃が陰茎から脳髄に突き抜けた。治夫の精を根こそぎ奪うかのように、ひと際大きい快感が治夫を襲う。 放出した陰茎は元の大きさに戻る。いや、放出する前よりも縮んで見えた。 ありったけの精を出して呆けたようになった治夫は、店主のされるままだ。 店主は散髪屋だけに毛髪を扱うのは手慣れたもの。治...